近藤芳美賞
先日開催された第20回NHK全国短歌大会の連作部門である近藤芳美賞に「冬の終わり」という15首連作で入選致しました。
入賞ではないので、8首だけしか掲載されてないんですが、8首だけでも読みたい方がいらっしゃれば、こちらをご覧ください。
2月に入選証が届きましたら、このブログで15首全部紹介します。
http://www.n-gaku.jp/taikai/tanka/h30/index.html
うたの日・お題「擦」
銀色の部分を擦り君が出て恋愛運は使い果たした
これ以上好きになれる人にはもう二度と出逢えないのではないかというくらい素敵な人に実らぬ恋をしていると、もう、この先、死ぬまで、両想いの幸せを実感することはないのだろうな、と思う。
結婚を考えるくらい好きで想い合えていた人を失った時に、この世の中に人が死ぬ以外にこんなに哀しいことがあるのかと思って、毎日のように泣いて、涙も枯れ果てて、彼を失ったショックから立ち直るには仕事に没頭するしかないと思って3つの仕事を掛け持ちしてたこともあったけど、結局、無理がたたって病気になって、でも、いつの間にか、彼のことは素敵な想い出だけになって、恋愛感情はなくなって、尊敬と感謝だけが残った。
でも、今、好きな人には、大好きなまま一方的に連絡を絶たれて音信不通になったから、気持ちに区切りをつけることができない。しかも、彼は、私以外の人たちとは嬉々として積極的に交流しているようなので、余計に。
NHK全国短歌大会で、水原紫苑さんが
「短歌の命は恋だ」
とおっしゃってたけど私も心からそう思っているから、いくら、彼が私の恋の歌に不快感を示して私に対して邪険な態度をし続けても、私は、彼を忘れられないうちはずっと彼のことを想って詠み続ける。
もう、彼との想い出はほとんどなくなってきたから回想して詠むのは不可能になってゆくとしても、彼自身が私に
「つまらない実体験を詠むより面白い虚構の方がいい」
と言っていた言葉に従い、彼をモデルにした虚構の恋の歌を詠み続けてゆくことになるのだろうなと思う。
今日の自由詠
淋しさに震える夜を乗り越える布団乾燥機に救われて
父が、急に、布団乾燥機を買ってくれた。
それが今日届いて、早速、布団の中にセットしておいたんだけど、めちゃめちゃ暖かい!
布団に入ってもガタガタ震えてしばらく眠れない夜も何度もあったんだけど、これだけ暖かいとすぐに熟睡できそうだ。
昨日の自由詠
人口が奇数偶数どちらでも死ぬまでずっとあなたは独り
誰のどの漫画だったか忘れてしまったのだが、中高生の頃に読んだ少女漫画の中のヒロインが、自分がモテないのを
「世界の人口をすべて足したら奇数だと思う。私がひとりだけ余ってるから」
というふうに思う場面があったと記憶してるのだけど、当時の私はこれにすごく共感して、ああ、そうか!人口が奇数だから私は孤独なのか!なんて思ったことがあった。
でも、それは違うと今ならわかる。
自分が孤独である理由を人口のせいにするような人は、人口が偶数であったとしても、誰にも愛されることはないから、いつまで経ってもひとりぼっちだと思うからだ。
たぶん、そんな人は、ひとりでいるから淋しいわけではなく、人の輪の中に入ったって、自分はどうせ孤独なのだという卑屈な思考から抜け出すことはできないのではないかと思う。
誰にも愛されないと思っている人は、他人のことも愛していない人なのではないだろうか。本当は、愛してくれている人たちが周囲にいるのに、それをちゃんと信じようとしないで、自ら悲劇の主人公になりたがっているのだから。
ウナパン回文・お題「風」
風と書いて読みは自由のお題。今回は、なかなか頑張れて、5作品見てくれた回文のお友達が
「すごい!どれもクオリティーが高い!!」
と褒めてくれたのを信じて、このうち1つはここで発表せずに、来年の作並回文コンテストに送ろうと思っている。
まず、ボツ回文はこちら。
ニノ、何故、海パン?先輩風なのに。
にのなぜかいぱんせんぱいかぜなのに
痛いバカ風邪なら何故か庇いたい
いたいばかかぜならなぜかかばいたい
吉田は風邪なんだ。普段、何故か、裸足よ。
よしだはかぜなんだふだんなぜかはだしよ
採用された回文がこちら。
難解だぞ、永井荷風。深いが、謎だ。いかんな。
なんかいだぞながいかふうふかいがなぞだいかんな
これは、以前Twitterでつぶやいた
永井荷風、深いがな。
ながいかふうふかいがな
を伸ばしてみたものである。ちなみに、私は大学時代は日本語日本文学科の学生だったのに、永井荷風は敬遠して読んだことがない。