本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「奥」

駄菓子屋の奥で念仏を唱えるお耳の遠い看板娘

 
 4歳から6歳まで、京都に住んでいた。一休が丘と呼ばれる一休さんが晩年を過ごしたお寺のある綴喜郡田辺町というところで、現在は京田辺市になったけれど。
 我が家から歩いてすぐのところに、たつみ屋という駄菓子屋さんがあった。おばあちゃんがひとりで経営してるみたいなんだけど、このおばあちゃん、かなりお耳が遠いうえに、いつも店の奥の仏壇の前で念仏を唱えているものだから、大きな声で呼んでもなかなか出てきてくれなかった。
 このおばあちゃんが、弟のことを「ボン」と優しく呼ぶのが好きだったな。
 小さなヨーグルトみたいなクリームが入った駄菓子とか、ロケット鉛筆とかにハマった記憶がある。