本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「覚」

新富町川床「太覚(たかく)」様だけでちゃんと届いた祖父への葉書


 私の母方の亡くなった祖父の名前は太覚という。
 祖父は大正元年生まれだったが、今まで生きてきて、まだ同じ名前の人には出会ったことがない。
 母の実家のある新富町川床でもそれは同じで、非常に珍しい名前だったから、町内の皆さんにも太覚さんと呼ばれていたらしいし、郵便物は、苗字を書かれてなくてもちゃんと届いていたという。
 最近の子供の名前がキラキラネームと呼ばれたりしてるけど、明治から大正になったばかりの宮崎の田舎で太覚なんていう名前をつけた祖父の名づけ親のセンスもなかなかのものだと思う。
 ちなみに、私の父の名前も変わっていて、一身と書いてかずみという。女の子3人の後に生まれた末っ子長男なので、一人でも家を支えてゆくようにという願いが込められてるらしい。こんな孤独そうな名前をつけられて、気の毒に……と、私は思うのだけど。