2017年度『NHK短歌』掲載歌

　今、昨年度の『NHK短歌』に掲載していただいた歌を数えたら13首あった。2016年の終わりに独学で短歌を始めたばかりだというのに、とてもありがたいことである。私が先生と呼ぶのはNHK短歌の選者の先生方だけで、まだ、短歌の師匠はいない。本当にNHK短歌で学ばせていただいた1年だった。

　ここから、選者の先生ごとに採用していただいた歌を振り返る。

永田和宏先生選

2017年8月号　お題「自由」・佳作秀歌

両親の愛を知らない父のため可能な限り甘やかす母

10月号　お題「シャツ」・佳作

ワイシャツを腕まくりする君を見る触れてほしくてたまらなくなる

2018年1月号　お題「庭」・佳作秀歌

校庭に小鳥の墓を掘りながら「僕の前では泣けよ」と君は

3月号　お題「自由」・佳作

淋しさに押し潰されてしまう夜ティッシュペーパーだけが優しい

5月号　お題「卒業」・佳作

学ランのボタンが全部消えていた君に好きだと言えず卒業

大松達知先生選

2017年9月号　お題「そして」・佳作

君だけはこの手に触れていいですよそして朝までお気に召すまま

2018年1月号　お題「自由」・佳作

いつの日か母になるかもしれないし自然食品コーナーを見る

2月号　お題「音」・佳作

心臓の音が聞こえてしまうんじゃないか気になり隣を避ける

5月号　お題「大」・佳作

少女時代描いた理想の大人とは程遠いけど私は自由

黒瀬珂瀾先生選

2017年11月号　お題「氷」・入選

切実に氷川きよしの追っかけのパワーを分けてもらいたい夏

佐伯裕子先生選

2017年9月号　お題「空しい」・入選

もう二度と君に逢わぬと決めたのに色とりどりの浴衣を見てる

2018年2月号　お題「甘い」・佳作

家庭科は料理裁縫なんかより上手な甘え方を教えて

3月号　お題「新しい」・佳作

まっさらな手帳を開き赤ペンで君の生まれた日に描くハート

　いちばん多く選んでくださったのが永田和宏先生で、入選したかったなあと今でも思う。びっくりしたのは、佳作にも選んでくださらない黒瀬珂瀾先生に選んでいただいた歌がいきなり入選だったこと。黒瀬先生に選んでいただいたのはこれが最初で最後で、私の歌というより、氷川きよしさんのおかげだと思っている。まあ、でも、なんとか4人の選者の先生方全員に選んでいただけて、とても良い年であった。

　永田和宏先生、大松達知先生、黒瀬珂瀾先生、佐伯裕子先生、1年間大変お世話になりました。ありがとうございました。