本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「スピード」

スピードを落としてくれる優しさに甘えていつも眠ってしまう

 

 私の父は長年タクシードライバーをしていたこともあり、とても運転が上手い。

 父の運転する車に慣れていると、他の人の運転はほとんど荒く感じられて車の中でうとうとするなんてことはほとんどないのだが、私が初めてお付き合いした恋人は、父に負けないくらい運転の上手な人だった。

 当時、私が八王子、彼が船橋に住んでいたので、けっこうな距離があったんだけど、ドライブデートで船橋から八王子まで迎えに来てもらって山梨に連れて行ってもらったりした。

 私は、運転免許証を持っていないので、運転するのは行きも帰りも彼だというだけでも申し訳ないのに、彼がいつも安全運転を心掛けてくれる人だったから、気持ちよくって、帰りはいつも助手席でうとうと居眠りをしてしまっていたのである。

 穏やかな人だったから、怒られたことはなかったけど、自分は長時間運転してるのに、一切運転しない恋人が隣で寝てるのは気分のいいものではないよなあ……