本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

来世でも再び好きになるだろう部屋干し臭いシャツの君でも

 

 

 私の父はここ数年、自分の身体から悪臭が出ていると思い込むようになって(母も医者も臭くないと言っている)、ほとんど家から出なくなってしまった。それが原因で弟夫婦の結婚式にも出なかったし、初孫が生まれても上京を拒否した。自分の身体からは、悪臭のもとになる脂が出ているからという理由で、高級トイレットペーパー12ロール入りを買ってきて切り取り脇の下やお尻に当てて1ヶ月でひとりで使いきるのだという。そんな脂など出ていないのに。

 仮に、父から悪臭が漂っていたとしても、母は父を見捨てたり蔑んだりするような人ではないし、きっと、今までと同じように父に尽くすだろう。

 今日の歌は、部屋干しした洗濯物って独特の臭いを放つことがあるよなあと思って詠んだもの。でも、仮に、それが好きな人のシャツの臭いだったとしても、そんなことくらいで幻滅したりしないだろうな。