本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

「おじちゃんが理想の結婚相手だよ」五月の空に向かって語る

 

 以前、苺ミルクについて書いた時にもこのブログに登場したのだが、私は、母の姉の夫である伯父に実の子のように可愛がられて育ち、伯母に

「おばちゃんが死んだら、私、おじちゃんの後妻になる!」

なんて言うくらい、伯父のことが大好きだった。

 伯父は、とにかくマメでよく動く人で、いつも穏やかで優しく、自分の家族や両親はもちろん、妻である伯母の両親(私の祖父母)にも本当に親孝行してくれる人だった。

 いつも、笑顔で面白い冗談ばかり言って、伯父の近くにいると誰もが笑顔になった。

 伯父は、肺の病で亡くなったのだけど、とても苦しかったはずなのに、亡くなる前日まで担当の看護師さんたちや主治医を笑わせていたのだという。

 五月に亡くなった伯父だけど、雲ひとつないカラッとした五月の青空のように、どこまでも明るい人だったから、毎年この時期は伯父の笑顔を思い出す。

 伯父が結婚の挨拶に初めて私の母の実家に来た時、祖父は、伯父の顔を見て

渥美清に似てる」

と言ってすぐに結婚を許可したそうなのだが、会う人会う人を笑わせて幸せにしてくれてた伯父は、顔だけではなく雰囲気も寅さんっぽかったかもしれない。