今日の自由詠
折り紙を折っては捨てる人だもの想い出なんてすぐに忘れる
折り紙のとても上手な人に、折った作品は取っておくのか訊いたら、捨てると言われてびっくりしたことがある。せっかく時間をかけて美しく折ったものをあっさり捨ててしまうなんて、私には無理だ。
この人に、一度だけわがままを言って渋々折ってもらった作品が私の宝物で、いつも、スケジュール帖のカバーの内側に挟んで大切に持ち歩いて、時々眺める。
折紙のいいところは、紙だから、もし、私が死んだ時も棺桶に入れてもらって私と一緒に焼いてもらえるところだ。
彼が私のことを忘れても、私はずっと彼のことを忘れない。絶対に。