本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

「あなたには自分の色がないのね」と言われた過去を引きずっている

 

 

 大学1年生の時、私は、100人で寮生活をしていた。

 90人は1年生なのだけど、10人は先輩方が残寮して、1年生の面倒を見ることになっていた。

 私は、2年生になっても寮に残りたくて希望を出したのだけど、その時に、なぜ寮に残りたいのかという理由を作文に書いて提出し、先輩方に面接してもらわなくてはならなかった。その時、先輩のひとりに言われたのが

「こじやん、あなたには、自分の色がないのね」

という言葉だった。

 確かに、私は、暴力的な父親の機嫌を損ねないために常に顔色を窺っているような子供時代を過ごしてきたし、何事も、ここで自分がちょっと我慢すれば丸く収まると思って、自己主張というものをほとんどせず、周囲の人を立てる役回りばかりしているタイプだという自覚があったから、先輩の言葉はグサッと心に刺さった。

 でも、あれから20年以上経つ今でも、私には自分の色というものがないかもしれない。

 こうして短歌を詠むようになった今も、私の短歌には、これが澪那本気子だ!という個性があまりないように思う。

 これから、自分の色を見つけることができるのだろうか。