本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

短歌調回文

ダメ地味で
メアドに嘘さ
英字誤字
家誘う二度
雨で惨めだ

 

だめじみで
めあどにうそさ
えいじごじ
いえさそうにど
あめでみじめだ

 

 わかりやすいように5行に分かち書きしてみたけれど、本当に、短歌調の31文字の回文というのは、ちゃんと意味が通って日本語として美しいものを作るのが難しい。

 これも、何のこっちゃ?って読んだ誰もが思うと思う。

 私の中ではストーリーがあって、地味な主体が好きな人に嘘のメアドを教えられ、英字が誤字(というか嘘)であるのに、そのメアドの主である相手を家に誘うメールを出した。1度目でメールが戻ってきたから2度も。悲しくて雨に打たれて泣いている……というイメージ。

 こうやって、かなりの情報を捕捉してあげないと全く意味がわからないし、ほとんどの場合、作者=作中主体にはならずに心がこもらないから、私は短歌調回文にはなかなか手を出さないのである。回文短歌ではなく短歌調回文と呼ぶようになったのも、私の中ではこれは短歌ではないと思っているからで。

 これは回文短歌だ!と呼べる素敵なものを作ってらっしゃる方もいて、特に、Twitterにいらっしゃる浅井さんの回文短歌は本当に素晴らしいので大好きなのだけど、どうやったら一目で理解できる短歌調回文ができるのかまだぜんぜんわからない。