本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

厳重に警備されてる宝石をただ見つめてるような関係

 

 「高嶺の花」っていう野島伸司さん脚本で石原さとみちゃん主演のドラマが始まるそうだけど、野島さんは、住む世界が違うとか、私はこの人とは釣り合わないって思ってしまうような、生まれ育った境遇や容姿や経済的に格差のあるふたりの恋愛を書くのが好きな人だよなあって思う。たぶん、野島さんは、チャップリンの「街の灯」とか大好きなんじゃないかな。

 という私も、ずっとそんな片想いをしているけれど。一生、私なんかの手が届くことはない完璧な人であるうえに、絶対に崩れることはない壁を作られているんだけれど、彼以上に素敵な人にはこの先も出会うことはないと思っている。

 身の程をわきまえて、自分と似たような人を好きになれたら楽なのかもしれないけど、幸せとは言えない生い立ちで、容姿にも恵まれず、経済的に苦労していて、たいした特技もなく、精神疾患を抱えている39歳独身子供なし……という私と似たような人を好きになれる部分が1ミリもないし、自分ひとりでも生きているのが精一杯なのに、もうひとりこんな人が側にいたら、とんでもなく不幸なのじゃないかと思うのだ。

 だから、実ることはないとわかっていても、理想以上に魅力的な王子さまのような彼に恋したまま、夢の世界で生きていたいのである。夢の中では、こんな私でも幸せでいられるから。