本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

警察官死亡の記事を見るたびに寿命が二秒削られてゆく

 

 以前も、私の元恋人が警察官ということは書いたが、彼とお付き合いしてた頃はもちろん、お別れした後も、警察官が亡くなる事件や事故のニュースには敏感になった。

 ひょっとして、彼だったらどうしよう……と思って、場所と名前を確認する。彼じゃないことを確かめるまでは生きた心地がしない。本当は、人としてこういうことはあってはならないのだろうけど、亡くなった警察官が彼ではないとわかるとホッと胸を撫で下ろす。それからちょっと遅れて、亡くなった方のご家族や大切な人たちのことを思って辛くなる。もしかしたら、私も同じ立場になっていたかもしれないのだ。

 警察官や自衛官や消防士など、文字どおり命懸けのお仕事をされている人たちがいる。その人たちの無事を祈る人たちもいる。生きていると孤独を感じることもあるけど、自分が生きていることができるのは、彼らのようなお仕事の人たちがいるからだということは忘れてはいけないと思う。私も、元恋人とお付き合いするまでは気づけなかったことだけど。

 彼は警察学校を優秀な成績で卒業した人だったから、新人の時から治安の悪い地域ばかりに配属されていた。いつも激務で、24時間当直の時も仮眠も取れないことが多かった。熱が40℃あっても休まずに出勤していた。でも、非番の時はできるだけ私と逢ってくれた。私には彼をずっと支えることができなかったけれど、今、彼が私なんかよりずっと素晴らしい女性に支えられて、仕事量も少しは減っているといいなと思う。幸せでいてほしいと思う。