本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

「八十五まではバリバリ働く」と張り切る母を泣かせた ごめん

 

 弟が警察署まで迎えに来てくれた後、たばこ臭い居酒屋からすぐ避難して、セブンイレブンの前のベンチに座ってずっと話してたんだけど、その中でいちばん堪えたのが、

「姉ちゃんが死んだら、たぶん、お母さんが後追い自殺するよ。親って、そういうものだよ」

と言われたことだった。

 また、私のことを通報してくれた後輩が言ってくれたのが、

「お母様が2回も娘を亡くしてしまって嘆き悲しんだら直美さんの魂はどうなってしまうのか」

と。それで、いてもたってもいられなくなって、1回だけ賭けてみることにしてくれたのだそうだ。

 そんな後輩の言葉を聴いた母が

「ああ、お母さんと同じ想いでいてくれたんだねえ、その子は。感謝せんといかんねえ」

と泣きだして、私は、取り返しのつかないことをしてしまうところだった……と、反省した。

 弟には、さらに、

「姉ちゃんはひとりで生きてると思ってるかもしれないけど、人はみんなで生きてるんだよ。姉ちゃんも社会の歯車にならなきゃダメだよ」

と私を叱ってくれた。

 正直、まだまだ、辛いし、死んだ方が無になれるから楽だったのではないかという気持ちもある。この先の人生を、いちばん好きな人に逢えないまま過ごしてゆくのは、苦しすぎる。それでも、母がまだ生きているうちは、死んではいけないなと思った。