本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「秋」

秋桜を花束にして贈ります 産んで育ててくれてありがとう

 

 モチーフにしたのは、さだまさしさん作詞作曲の山口百恵ちゃんの名曲「秋桜~コスモス~」である。

 私の母は、さださんがグレープというフォークデュオを組んでいらした時からのファンで、私の胎教の音楽は、グレープの『三年坂』というLPだった。

 だから、私も自然とさださんの作る曲が大好きになったのだけど、この「秋桜~コスモス~」は、私が子供の頃から口ずさんでいて、もし、私に嫁ぐ時が来たら母に歌いたいと思っている一曲でもある。

 さださんは、男性だけれど、女性の視点で書かれてる曲がいっぱいあって、この曲なんて、嫁ぐ前日の娘の母への感謝の気持ちを表現しているのだけど、よく、こんなに繊細に美しく、しかも、無理なく自然に書くことができるなあと感心するし、山口百恵ちゃんの普通のアイドルとは違って少し陰のあるイメージにぴったりで、名曲中の名曲だなあと思うのだ。

 作詞をする人の中に、さださんのような天才が何人もいるのを子供の頃から目の当たりにしているということも確実に影響してると思うのだけど、私は凡人だから、なるべく、虚構の短歌には手を出さない。こんなに美しく、人を幸せにすることのできる嘘を上手につける自信がないからだ。

 たぶん、それは、今後もあまり変わることはないだろうと思う。ほとんど自分の体験からしか詠めないから、詠み尽くしたら、いつか必ず行き詰まるとは思っている。