本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

創価学会と私 6

 私が、東京の創価学会はおかしいと思った決定的な出来事は、選挙の時のことだった。

 創価学会は、公明党の支持母体なので、選挙の時に公明党を応援するというのはわかる。池田先生が作られた政党だし、日蓮の『立正安国論』の教えを実現しようと思えば、平和な国を作るために、法華経の教えを学んだ政治家が国民のために奉仕してゆくことは必要なことだとも思う。そのために、公明党の議員がきちんと公約を守って活動しているかどうか責任を持って監視する役割が支持母体の創価学会にはあるし、彼らが創価学会の思想に反した、国民を不幸にする政策を行っていたら異を唱えなければならないとも思う。

 が、まだ、未成年の学生にまで、選挙前だからとF(フレンドの略で、創価学会の理解者のこと)取りや折伏などの活動に力を入れさせ、対話した友人知人の数を報告させ、選挙の当日にはひたすらお題目を唱え続ける10時間唱題会などを開くのはいかがなものかと思った。

 私は、宮崎出身で、東京にはほとんど友人や知人がいなかったのだけど、女子学生部を指導している女子部の幹部は

「同窓会名簿があるでしょう。地元の同級生に片っ端から電話をかけるのよ」

と指示した。当時は、まだ、携帯電話会社に定額制プランなどなく、遠いところに電話をかければかけただけ通話料がかかり、困惑しながらも幹部の指導通りに電話で同級生と対話をしていった私の通話料は50000円を超えた。

 私は、当時、寮にいたから、親からの仕送りはなく、奨学金だけで生活していたのだけど、そんな高額な電話代が払えるはずはない。すると、隣の部屋にいた友人が、

「臨時収入があったから」

と、親御さんからの仕送りの中から50000円抜いて、貸してくれたのである。

 学会活動というのは、まだ、仕事をしていない学生が借金をしてまでやらなければいけないものなのだろうか?こんな無茶をさせる東京の組織はおかしいんじゃないか?と思うようになった。

 他にも、おかしいと思ったことはある。それは、牧口記念会館というお城のような創価学会の会館での会合に出席できるということになった時のこと。

 女子学生部には、ドレスコードがあったのだ。黒やグレーや紺などの地味なスーツはNGで明るい色のスーツを着用するように、と。私は、たまたま、入学式用に作ってもらったスーツが若草色のスーツだったから、それで参加したけれど、普通、スーツというと、就職活動にも使えるリクルートスーツを持ってる学生がほとんどだと思う。それなのに、まだ、まともな収入のない学生に、明るい色のスーツの着用を義務づけるなんて、どうかしてるんじゃないか?と思ったし、ドレスコードのある敷居の高い会合なんて馬鹿らしいと思った。それが、池田先生のご指示なのか、勝手に女子学生部の幹部が決めていることなのかはわからなかったけれど。