本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

友達になれる美人は私より幸薄そうな人魚姫だけ

 

 子供の頃から、童話の主人公で感情移入できるのは人魚姫だけだ。

 たいてい、どんな童話の主人公も、ものすごい美貌の持ち主で最後は必ず王子様と結ばれる未来が待っていて、私のような器量の悪い女の子には夢のまた夢だよなあ……とため息をつくしかなかったんだけど、人魚姫は、人間になるために美しい声を魔女に奪われ、歩くたびに激痛に苦しみ、恋する王子とは会話ができず、王子は自分の命の恩人が人魚姫だとは気づかないまま他の女と結ばれ、唯一、王子の命を奪えば助かるのに、どうしてもそれができなかった人魚姫は、海の泡となって消えてしまう。

 人魚姫は美女なのに、恋愛が自分の思い通りにゆかずに悲恋に終わるというのは、私のように、ケッ!やっぱり、美人は得だよねーと思って僻んでいる心まで醜いブスでさえも同情し、応援したくなってしまうのだ。

 シンデレラとか白雪姫とか眠りの森の美女なんかは、全員、結婚後に嫁姑問題で苦労すればいいのに、ケケケッ……なんて、意地悪なことを思っちゃうもんなあ。