本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

憂鬱

 帰省したら、祖母のお墓参りにも行きたいと思っているのだけど、ひとつ問題があって。

 祖母が亡くなった時、何故か、祖父とは同じお墓には入れなかったみたいで、次男の嫁が勝手に手続きして、祖母は、自分がずっと信仰してきた日蓮正宗のお墓(ややこしいのだが、祖母は創価学会員だったけど途中で脱会して日蓮正宗に籍を置いていた)ではなく、次男の嫁の家の浄土真宗のお墓に入れられた。

 祖母と次男の嫁は祖母が生きている時からずっと仲が悪く、次男の嫁は、盆や正月の集まりにもほとんど顔を出さなかったし、自分の子供たちが全員成人した途端、

「うちは今年からお年玉をあげるのはやめます」

と宣言して私たち子供たちにお年玉をくれなかったし、私が大学に合格した時にはおめでとうの一言もくれなかったような人だ。そのくせ、顔の整った若い男の子が大好きで、いちばん年上の身長180cmで郷ひろみみたいな甘いマスクの従兄弟や、美形の私の弟のことはめちゃめちゃ贔屓していて、弟のピアノの発表会にはお金を包んで花束まで持って駆けつけたらしい。私には、母と一緒の時しか挨拶すらしてくれないような人なのに。こういう人によって態度をガラリと変えるような人だから、祖父母にも嫌われていたのはよくわかる。

 たぶん、祖母の信仰していたのとは全く違う宗教のお墓に入れたのは、次男の嫁の最後の嫌がらせだったのだろう。

 祖母のお墓参りをする以上、次男夫婦の家にも顔を出さないわけにはゆかず、11年ぶりに帰るのに手ぶらでゆくと何を言われるかわかったものではないから、手土産も買わなくちゃいけないだろうなあ……というのが憂鬱なのだ。

 次男である伯父はとても人格者で、母の7人の兄と姉たちの中でいちばん優秀で素敵な人なんだけど、唯一、女を見る目だけはなかったのが残念だよね……と、たまに母と話す。でも、そういう息子を育ててしまったのはばあちゃん自身だから、仕方ないね……とも。

 うー。会いたくないなあ……