本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「だけ」

絶品の母特製の茶碗蒸しは父の分だけ丼で蒸す
 

 最期の晩餐に何を食べたいかと訊かれたら、この世の中のどんな料理よりも母が作った茶碗蒸しがいいと答えるくらい、母の茶碗蒸しはどんな和食店やお寿司屋さんや旅館の茶碗蒸しより美味で、この意見は、犬猿の仲の父とも一致している。

 が、父はとても欲張りで、夕飯に茶碗蒸しを作るという時は

「俺は4つ食うぞ」

と言う人なのである。

 最初は、母も、茶碗蒸し用の器で父の分だけ4人分作っていたのだけど、私と弟が上京してからは、父の分だけ丼で作れば母のと一緒に蒸し器で蒸せると思い、父の分は茶碗蒸しでなく丼蒸しになったそうなのだ。

 帰省したら、母が茶碗蒸しを作ってくれるというので、とても楽しみにしている。