本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「手」

薔薇の香がほのかなハンドクリームを無休の母に使ってほしい

 私の母は、私が物心ついた頃からずっとフルタイムで働いて、家でも家事も育児もほとんどひとりでやってきて、結婚以来、自分ひとりのためだけに時間を使ったことなど数えるほどしかないのではないかと思う。
 いつも、子供より手のかかる父のため、私と弟のために生きてきた人だ。
 先日、母から大病院の厨房に勤務することになりそうだという話は聴いていたから、帰省の時に、いただきもののL'OCCITANEの薔薇の香りのハンドクリームを母に譲った。私は、ひとり分の洗い物や洗濯くらいでは手が荒れないし、母は、庭でずっと薔薇を育ててきたくらい薔薇が好きなので、母に使ってもらった方がいいだろうと思ったのだ。母はとても喜んでくれた。
 母の妻ぶり、母ぶりがあまりに完璧で、私の理想の女性は母なので、私は結婚願望はあるけど結婚が怖い。母を超えるのはもちろん、母に追いつくこともできないだろうと思うからだ。
 母には感謝しかないので、出来る限り母の喜ぶ顔を見たい。