本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「何」

博識でカバが何科か知っている君への恋は必然でした

 小学生の時は、テレビで動物王国の様子を見て「ムツゴロウさんの弟子になりたい!」なんて言ってた私。
 それを初恋の男の子に話すと、とても真剣に聴いてくれた彼は、翌日、家から、ムツゴロウさんこと畑正憲さんの本を持ってきて貸してくれた。もう、30年くらい昔のことなのに、今でもよく覚えている。
 で、カバはカバ科(回文!)らしいのだけど、それを知った時はカバ科ってあったんだ!って、新鮮だった。ライオンはネコ科だし、オオカミはイヌ科だし、なんか、カバ科があるのって、すごいなあ、って。
 カバで思い出すのは、大学時代の友人で、私に50000円も貸してくれた子が、自己紹介の時に
「高校の時はカバに似てるのでカバって呼ばれてました。カバって呼んでください」
って言ったことなんだけど、私は、その人の容姿をもとに考えたあだ名というのが好きではないので、ずっと彼女のことは名前にちゃん付けで呼んでいた。
 私は、覚えてなかったんだけど、彼女は、推薦入試の日に私に会ったことをよく覚えてくれていた。推薦入試で面接があったんだけど、教授たちとの面接を終えて教室を出てきた私が、廊下に並んで待っていた他の受験生たちに
「頑張ってください」
と言って去っていったのだそうだ。その時、彼女は、
(ああ、あの子は合格するだろうな)
と思ってくれたのだという。英語のペーパーテストでわからない問題が2問もあった私本人は、その時は合格は諦めていて、記念受験になったけど、キャンパスは綺麗だし、先輩方は優しいし、教授とのお話も弾んだから、一般入試で頑張って合格しよう!と思って、廊下に出たのであって、自信なんてぜんぜんなかった。そして、運良く推薦入試に受かり、一般入試で合格した彼女と再会したのは女子学生寮で、彼女は隣の部屋だったのである。
 アニメオタク、ゲームオタクだった彼女は声優を目指していたけれど、今はどうしているのだろう。私はアニメは中学生までしか観ていなかったけど、中学時代は、声優さんが宮崎に来られるたびにラジオ公開録音を観に行ってたので、彼女とはけっこう話も合った。
 私が中退してからは、彼女とも疎遠になってしまったのだけど、今日、思いがけず、歌の中にカバが出てきて思い出したのだった。