昨日の自由詠
人口が奇数偶数どちらでも死ぬまでずっとあなたは独り
誰のどの漫画だったか忘れてしまったのだが、中高生の頃に読んだ少女漫画の中のヒロインが、自分がモテないのを
「世界の人口をすべて足したら奇数だと思う。私がひとりだけ余ってるから」
というふうに思う場面があったと記憶してるのだけど、当時の私はこれにすごく共感して、ああ、そうか!人口が奇数だから私は孤独なのか!なんて思ったことがあった。
でも、それは違うと今ならわかる。
自分が孤独である理由を人口のせいにするような人は、人口が偶数であったとしても、誰にも愛されることはないから、いつまで経ってもひとりぼっちだと思うからだ。
たぶん、そんな人は、ひとりでいるから淋しいわけではなく、人の輪の中に入ったって、自分はどうせ孤独なのだという卑屈な思考から抜け出すことはできないのではないかと思う。
誰にも愛されないと思っている人は、他人のことも愛していない人なのではないだろうか。本当は、愛してくれている人たちが周囲にいるのに、それをちゃんと信じようとしないで、自ら悲劇の主人公になりたがっているのだから。