本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

入選証

 今、帰宅したら、NHKから、第20回NHK全国短歌大会の自由題と、近藤芳美賞で入選した短歌の入選証が届いていた。
 まず、自由題の入選作が、こちら。
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もう君は微笑みかけてくれないねパンダの白と黒が逆でも
                  澪那本気子

 近藤芳美賞の入選作がこちら。
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  冬の終わり
                  澪那本気子
昨日までできて当然だったこと突然何もできなくなった
うつ病と診断されてなかったら自分で自分を殺めただろう
寝て食べて薬を飲んで天井とにらめっこしてすぎた六年
人生に無駄はなかった回文と短歌に布団の中で出会えた
新しい趣味の世界で眠ってた喜怒哀楽が目覚めはじめた
忘れてた恋の仕方も思い出す片想いでも自分を磨く
天職で輝く君に恥じぬよう社会復帰を心に誓う
「週四日一日四時間ならいいよ」十年ぶりの就労の許可
副作用とはいえ二十五キロ増え入るスーツが一着もない
オフィスカジュアル可と書いてある会社だけに絞って面接へゆく
タッチタイピングを求められている未経験可の求人なのに
赤裸々な履歴書に触れることなく面接官は終始笑顔だ
容赦なく門前払いされてゆくアルバイトさえさせてくれない
三社目で受かった派遣会社には心のケアをする部署がある
何もない私の道に種を蒔く冬の終わりを信じて進む

 初めての応募で入選できたことは嬉しいけれど、まだまだ、私にはその先に進む力がないのだなということを素晴らしい数々の受賞作を読んで思い知ったので、今年はもっといいものを詠めるように頑張らなければと思った。
 大会関係者の皆様、ありがとうございました。