本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

11年ぶりのウラニーノ

 最後にウラニーノのライブを観たのは2008年の4月だった。
 それから、私は、病気になり、自分でも、こんなに長い療養生活になるなんてその時は思いもしなかったけど、6年間も通院の時以外は外出できずに、パニック障害が酷いから、ライブハウスからも長く遠ざかっていた。
 それが、回文や短歌に出会ったのをきっかけに、徐々に外にゆけるようになり、自殺未遂をしたから当初の予定より半年も遅れてしまったけど、無事に、仕事に就くことができて、そろそろ、ウラニーノのライブにまたゆきたいなあ……と思っていたら、なんと、私の住む八王子でライブをしてくれるという情報が!しかも、餃子食べ放題がついてきて3000円という面白そうなイベントである。迷わず、チケットを予約した。
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 会場は、パパビートというライブハウス。階段を上がると、今日のウラニーノのサポートベースのしあわせさんと、ウラニーノのボーカル&ギターの山岸さんがいて、久々のご挨拶を。
 中に入ると、餃子のいい匂いが漂っていた。ウラニーノのドラムの小倉くんも発見し、駆け寄ると、
「ぜんぜん、変わってないじゃん!」
という第一声。仕事の帰りだと伝えると
「おお!仕事されてるんですね!元気になられて、よかった!!」
と気遣ってくれ、がっちり握手を交わした。その後、弟と同じ大学だったウラニーノのふたりに、弟の近況を軽く話すなどして。レコ発ツアーなので、もちろん、CDを買った。私と、母の分。
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 このライブの主催者は川村いさみさんという方で、全国のご当地餃子ソングを歌っていることが縁で、全国各地の方が協賛してこの餃子食べ放題ライブを定期的に開催しているのだとか。
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 川村さんのギターが、餃子型!このギター、裏にはちゃんと焦げ目もついていた。
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 最初に焼き餃子を4つ食べ、写真を撮り忘れたけど水餃子も3つ食べ、
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他にもいろんな餃子を食べた。圧巻なのは、いちばん大きな、三重県の津餃子。15cmくらいある皮で餡を包んで揚げているそう。
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 パパビートの店長でもあるというムラキさん。ひとりで受付もやって、ドリンクカウンターでドリンクも作り、PAもやって、ステージに立って歌とギターとトークで盛り上げてくれて、大忙しだった。
 そして、いよいよ、ウラニーノの番。
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 1曲目は、「ファーマーの長男」という、群馬県の農家の長男であるドラムの小倉くんのことだと思われる歌詞をボーカル山岸さんが歌って、小倉くんはずっとボイスパーカッションをしてるんだけど、小倉くん、ドラムだけじゃなくて、ボイパもめっちゃ上手い!!
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 2曲目は「あるよ」。これは、生で聴くのは初めてだったけど、しみじみといい曲。主人公が、自分の周りにはいろいろなものがあることに気づいてゆくんだけど、特に、「嫌いな奴の優しさ」っていうところはグッときた。
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 3曲目は、「音楽はあるか」。私、これも生で聴くのは初めてだったんだけど、アルバムのアレンジとはガラッと雰囲気の違うアレンジで、同じ曲でもアレンジによってこんなに変わるのか!とびっくりした。3人の明るく力強いハーモニーが心地よかったなあ。
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 4曲目の「中年花火」は、YouTubeで初めて観た時も涙が溢れて止まらなかったんだけど、生で聴くとやっぱり泣いた。おっさんが4人で花火をするというところから始まる歌詞なんだけど、主人公たちの子供の頃から続く厚い友情と物語の展開に、もう、既に知ってるはずなのに、やっぱり泣けて仕方ない。曲もすごく綺麗。
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 5曲目は「ロックンロールで殺して」。物騒なタイトルだけど、そこは、作詞の天才の山岸さん。しっかり、歌詞の内容と曲の明るさでバランスを取っていた。山岸さんの暗い中にも希望が感じられる世界観、素晴らしいなあと思う。そして、ステージに立つ山岸さんはびっくりするほど色っぽい。ステージを降りると腰の低い好青年なので、ギャップがすごいのである。
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 最後の曲は、「日陰者」。この曲は、ある職業の人が主人公なんだけれど、よくぞ、こんな時代に、勇気を出してこんな歌詞を書いてくれましたね、と称えたい。私の従兄弟もふたりこの職業で頑張ってるから、最初にYouTubeで弾き語りを観た時は思わず泣いた。
 ウラニーノ、一時期、山岸さんの体調が心配だったこともあったけど、乗り越えて、パワーアップしたなあと思った。
 前から、山岸さんの声は線の細い優しい声だったんだけど、深みが増して、もっともっと温かい説得力のある歌声になってたし、小倉くんのドラムも、相変わらず楽しそうで力強くて、日本でいちばん好きなドラマーだと断言できる。
 事務所を独立してフリーになったことで大変なことも多いとは思うけれど、ふたりは、変わらずに自分たちの音楽を信じて、技術をコツコツ磨いて、どんな時も最高に素敵なライブを見せてくれるところはぜんぜん変わってなくて、安心した。 
 今はまだ、時代の方がウラニーノに追いついてない感があるけど、本当にいいものを作り続けている人たちだから、いつか、きっと、彼らの時代が来ると私は信じている。