本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

二ヶ月に一度はよそゆきの服で銀座へ出かけカフェオレを飲む

 銀座は、昔、三越の地下で働いていたことがあるけれど、皇室ファッションのようなご夫人を何人も見かけたし、女優さんとか、総理大臣だった人のお姉さんとか、住む世界の違う人たちへ接客していたけど、自分が銀座で何か買い物をするということはぜんぜんなかった。
 というのも、私は当時、厨房で朝から晩まで80~100食くらいのお弁当を作ってたから、仕事の終わる頃には髪の毛にも肌にも油の臭いが染み付いていて電車に乗るのさえ恥ずかしいくらいだったし、疲れ果てて買い物どころじゃなかった。
 今も、銀座にゆくのは、丸福珈琲店銀座喫茶室と、丸福珈琲店と同じ階にある手ぬぐい屋さんの濱文様で誰かへのプレゼントを買う時くらいのものだ。
 丸福珈琲店のカフェオレ1杯でドトールコーヒーなら3杯くらいは飲めてしまうけれど、それでも、ただ、カフェオレを飲みながら短歌を作るためだけに銀座へゆくというのは、夢を見失わずに生きてゆくために必要な時間だと思っている。
 私は、このままでは終わらない。絶対に。