本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「演」

本番の日までは肉を食べないで演じきりたい神様の役

 中学生の時、演劇部に入った。
 正確には、私が入部するまでは、部員は2年生の先輩が4人しかいなかったから演劇同好会で、私が入部して演劇部に昇格したのだ。
 先輩たちはみんなとても優しく、私のことを可愛がってくださった。
 私が初めていただいた役は文化祭で演じる『24時間のピノキオ』という作品の神様2の役だった。
 神様は全部で3人いて、若い男の神様、女神様、そして私は年老いた神様。
 神様は、ピノキオを木に戻したり、人間にしたりするなかなか重要な役で、物語の最初と最後に登場するのだ。
 声を老けさせることや、腰を曲げたりして外見を老けさせることは意識したけれど、他に何かできる役作りはないだろうかと考えて、私は、肉を食べるのをしばらくやめた。神様は、なんとなくだけど、肉は食べないような気がして。母には、叱られたけれど。
 もともと、ベースとなった作品があるとはいえ、ほとんどが部長の書いたオリジナル脚本だった『24時間のピノキオ』は、とても好評だった。
 懐かしい想い出である。