本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「投」

ふと投げた視線を君が受け取ったこの一瞬よ永遠となれ

 視線を投げるという表現を初めて耳にしたのは、工藤静香ちゃんのヒット曲「MUGO・ん…色っぽい」だったと思う。作詞は中島みゆきさんのこの曲の歌詞の中で、最後の方に

明日少し勇気を出して
視線投げてみようかしら

という部分があるのだ。視線を送るのではなく投げるというのが面白いなと思う。投げるのだから、相手にも受け取る技術があって、呼吸を合わせることで受け取れるのであって、その意思がなければ、投げた視線は無駄になってしまうだろう。
 この歌のヒロインには、おそらく、勝算があるのだと思う。

 私は好きな人と視線が絡み合ったことが2回ある。1回はまだ彼に告白する前、もう1回は告白した後のことだ。1回目の時は、目が合うと彼はにこりと優しい笑みを返してくれたのだけど、2回目は、確かに数秒間見つめ合ったのに、彼の方から先に逸らした。でも、その数秒間、私はとても幸せだった。