本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日の100人の短歌・第1グループ②芍薬さん

 2首目は芍薬さんのお歌です。芍薬さんといえば、うたの日ではあっという間に100本の薔薇を獲得されて、Twitter芍薬さんといちご摘みをした人たちが次々と薔薇を獲得したことから芍薬メソッドという言葉も生まれ、最近は、新聞歌壇でもご活躍ですが、どこにも所属せずに、大切なご家族最優先で詠みたい時に詠めるだけ詠むというスタイルを貫いてらっしゃって素敵だなと思っています。


誇らしく死ぬことさえも許されず美しき花逆さに吊られ/芍薬 2017年11月18日お題「逆」

 私のピアノの先生がとても花や緑の好きな人で、いつも花に囲まれている生活をしていらしたんですが、ある時、先生が
「先生は花をもらうなら、造花やドライフラワーより生の花の方がずっと嬉しいわ」
とおっしゃったことがあったのを、このお歌を見て思い出しました。 
 おそらく、このお歌も、実際のドライフラワーを詠まれたのではないかなと思いますが、花の擬人化に、悲劇のような人生を送った実在の人物の姿を重ねる人もいるのではないでしょうか。
 私には、この逆さに吊られた花が、フランス革命の時に断頭台の露と消えた王妃マリー・アントワネットの姿のようにも思えてなりませんでした。たぶん、吊るされていた花は薔薇だったのではないだろうかと想像の広がったお歌です。
 芍薬さん自身も花の名前ですし、花好きであることをたびたびツイートされていますが、花の哀しい最期を美しく詠まれているところに花への愛を感じます。