本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日の100人の短歌・第2グループ②キールさん

 キールさんのお歌は、すごく好きなお歌が多くて、うたの日でお部屋が一緒だった時は、かなりの高確率で、キールさんのお歌にコメントを残しています。今回も、どのお歌にしようかすごく迷いました。


ゆるキャラの中のひととは書けなくて職業欄に書く自由業/キール 2018年9月11日お題「自由業」

 まず、この「自由業」というお題もすごく面白いと思うんだけど、このお歌は、お題の面白さを最大限に活かしているなと感じました。
 主体は、ゆるキャラの中のひととして働いているんだけれど、たぶん、それをすごく誇りに思っているからこそ、職業欄に書きたいけど書けないんじゃないかなと感じました。ふなっしーが、自分は梨の妖精で中のひとなんていないと言うように、子供たちの夢を壊さないように、自分の正体を明かしてはならないと思っていて、それでも、職業欄には何か書かなくてはならないから、自由業と書いているのだろうな、と。
 自由業というと、勝手に、サラリーマンと違って気楽なイメージを抱いてしまいがちなんですけど、このお歌の主体からは、ものすごいプロフェッショナルぶりが伝わってきて、カッコいいなあと思ったのでした。
 こんなお歌を詠めるのは、作者のキールさん自身が、ゆるキャラの中のひとたちのことを尊敬しているからなのでしょう。