本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日の100人の短歌・第2グループ⑩門野あおいさん

 門野あおいさんは、すごく最近うたの日デビューをされたばかりで、この企画を通して相互フォローになっていただいた方なのですが、うたの日を始めたばかりの人にもこうして声をかけていただけるのは、本当に嬉しいです!ありがとうございます。


財布でも定期でもなく「ハンカチの綺麗なの持った?」と問ふ老いた母/門野あおい 2019年9月26日お題「ハンカチ」

 私は家族詠が大好きなんだけれど、このお題でこのお歌を詠まれたことが本当に素敵だなと思うし、お母さんと主体がお互いを思い合う気持ちがストレートに伝わってきて、しみじみといいお歌だなと思います。
 たぶん、人生で、「ハンカチの綺麗なの持った?」なんて気にしてくれるのは、母親だけじゃないのかなと思うのですが、普通は、子供が大きく成長するにつれて言わなくなるものです。
 このお母さんは、年老いても尚、主体がハンカチを持ったかどうかを気にかけてくれている。いつまで経ってもこのお母さんにとっては、主体は小さい頃のままなのかもしれないし、主体もちょっとそれが煩わしいこともあるかもしれないけれど、今もお母さんと一緒に暮らしているところを見ると仲のいい母子なのでしょう。