本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日の100人の短歌・第3グループ⑦ミウラ(三浦なつ)さん

 三浦なつさんは、まだ今年の2月に短歌を始めたばかりだという方なんだけれど、家族詠が好きな私は、三浦さんの育児詠にほっこりした気持ちにさせてもらうことが多いです。でも、今日は、たくさんある三浦さんの育児詠ではないお歌を引かせていただきます。


私じゃないあの子を見つめる君の目を盗みたかった夏の教室/ミウラ 2019年2月25日お題「盗」


 このお題でこんな甘酸っぱい片想いのお歌が読めるとは思いませんでした。
 好きな人のことは誰よりもよく見つめているから、好きな人が誰を見つめているのかまでわかってしまうのがせつないですよね。
 教室で君のことを見つめていたら、君の視線の先には常にあの子がいることに気づいてしまったのでしょう。あの子を見つめるように私のことも見つめてくれたらいいのに。その君の目を盗みたかったとは、とても大胆な表現です。
 でも、片想いのお歌なのに爽やかな読後感があるのは、結句の夏の教室で、この恋が学生時代のものだとわかるからだと思います。
 いつか、三浦さんの数々のお歌にも登場するお子さんが恋をした時にもこのお歌を読んだら感激するんじゃないかなと思いました。