本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

創価学会と私 9

 創価学会に入っているというだけで、偏見の目で見られて差別された経験は何度かある。

 

 高校時代にひとりだけお互いの家に泊まったことがあるほど仲良くしていた友人がいたのだけど、彼女のお母さんは、よく、私のことを

「小島さんはとてもいい子なんだけど、お家が創価学会なのが残念ね」

と、彼女に話していたらしい。でも、彼女は変わらずに私と接してくれていたし、彼女のお母さんのことを母に話したら、

「私がいい子なのは、創価学会に入ってるからですって教えてあげなさい」

なんて言ってたし、その頃の私はバリバリの活動家だったから、母の言葉が正しいと思っていた。

 

 創価大学を中退してから、とりあえず食べてゆくために派遣会社に登録し、私の最初の仕事は西新宿でコンタクトレンズ屋のビラ配りをすることだったんだけど、その時、小田急ハルクにあるビックカメラがオープンしたばかりで、ビックカメラの社員さんもビラ配りをしていたんだけど、私は、その社員さんに一目惚れされたらしく、メールアドレスを書いた紙を渡された。

 ビラ配りをしている彼は、好青年に見えたので、私は彼にメールを送った。そこから、私たちは仲良くなり、一度だけ、デートをした。彼から告白されたので、その時もまだ活動家だった私は、恋人になる人には信仰のことを話しておかねばならないと思い、創価学会員であることを伝えた。すると、彼は、

「ごめん。直美ちゃんは何も悪くないんだけど、俺、どうしても、宗教だけはダメなんだ」

と言って私を振り、二度と連絡を取ることはなくなった。

 

 私がどんなにいい行いをしたとしても、創価学会に入っているということで生理的に受け付けずに毛嫌いする人もいるのだな、というのは自分でもわかっていた。だからこそ、私は、自分は、何の偏見も持たずに、人を差別する側の人間にはならないようにしようとも思っていたし、私のことをわかってくれる人にだけわかってもらえればいいとも思っていた。