本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日の100人の短歌・第7グループ⑧ひなこさん

 ひなこさんは、うたの日デビューは私より少し後なんだけれど、短歌結社の心の花で研鑽を積まれていらっしゃいます。伊藤一彦先生についてお話をしたこととか、懐かしいです。
 ひなこさんのお歌は、そのお人柄どおり、とにかく優しい雰囲気のものが多いです。


淋しさがぴったり合った日々でした だから謝らないでください/ひなこ 2017年10月12日お題「ぴったり」


 主体の別れた恋人か配偶者に対する気持ちを詠んだお歌でしょうか。
 淋しさがぴったり合ったということは、同じ時期にお互いが同じように淋しかったと主体は思っているわけです。
 主体と別れることを決めた相手は、主体に対して淋しくさせたことを謝ったのでしょう。でも、主体は、謝らないでくださいと言う。自分も淋しかったけど、自分よりも相手のことを思いやって。
 きっと、お互いに優しい人同士なのだろうなと思います。こんなふたりがずっと一緒にいられないのは、恋というのは本当にせつないものだなと思います。
 このお題で淋しさについて詠むという発想も、とても豊かだなと思いました。