本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

うたの日・お題「君」

母親を照れずに褒めていた君を心の底で信じています 成人男性が、自分のお母さんを素直に褒めることができるのは、グッとくる。 ああ、この人は、とても温かい素敵な家庭で育ったんだなあと思うから。 22歳くらいの頃、西新宿でコンタクトレンズ屋のビラ配り…

今日の自由詠

二ヶ月に一度はよそゆきの服で銀座へ出かけカフェオレを飲む 銀座は、昔、三越の地下で働いていたことがあるけれど、皇室ファッションのようなご夫人を何人も見かけたし、女優さんとか、総理大臣だった人のお姉さんとか、住む世界の違う人たちへ接客していた…

うたの日・お題「梅」

バスでゆく遠足の日のお守りは都こんぶと梅ガムだった 子供の頃、私はすごく乗り物酔いしやすい体質だったから、バスの遠足は憂鬱だった。 酔い止めの薬も一応は飲んでゆくのだけど、それでも不安で、気休めかもしれないけど、遠足のおやつの中には必ず都こ…

笹井宏之賞応募作「九月十六日」

結果的には箸にも棒にも引っ掛からなかったんだけど、ちょうど半年前の出来事を衝動に突き動かされたまま詠んだ連作です。 最初は、これを推敲し直して他の賞に出すことも考えたりもしたんだけど、やはり、賞には新作を出したいという気持ちもあるし、粗削り…

今日の自由詠

せっかくの父の誕生日に気付く父は統合失調症と 私の父は、数年前から、急に、自分がとても臭いと思い込むようになった。 父以外にはその臭いはまったくせず、でも、父本人には臭っているので、父を臭くないと言う母のことを父は嘘つきだと思って信用しなく…

うたの日・お題「霞」

もし花になれたらカスミソウとして奇跡の青い薔薇に寄り添う お題が漢字なので、最初は霞草と表記していたのだけど、うたの日はお題の詠み込みは必須ではないから、一般的なカタカナ表記に直した。 カスミソウは、子供の時から好きな花だ。どんな花のことも…

今日の自由詠

ホワイトデー一生分の価値がある君にもらったこの筆名は 私は、今まで、何度も好きな人にささやかなプレゼントをしてきたし、バレンタインデーのチョコレートも渡したけれど、彼からは一度もプレゼントをもらったことはなかった。 お返しがほしくてプレゼン…

うたの日・お題「作」

リカちゃんのドレスはどれも手作りで無償の愛に包まれていた 私の母は、毎日、フルタイムで働き、家事も育児もひとりでこなし、バリバリの活動家の創価学会員だから毎日のように会合に出席し、本当に多忙な人だったんだけど、私のリカちゃん人形のドレスをい…

今日の自由詠

ロキソニンなしの二日目より痛む胸の奥には君しかいない 私は、昔から生理痛が酷くて、バファリンやEVEなどの市販の鎮痛剤が効かない体質で(回文を作ってる身としてはEVEが効けばいいのに)、病院でボルタレンを処方してもらうことが多かったのだけど、ロキソ…

昨日の自由詠

夏休みプールサイドでどん兵衛を食べる子たちを見ないふりした 子供の頃、家の近所に、のぞみ荘という名前のプールがあった。 深さのある大きなプールと子供用の小さなプールがあって、夏は、いつも、子供たちや家族連れでいっぱいだった。 私たちもよくのぞ…

うたの日・お題「自由詠」

思ってるほど傷ついてないのかも規則正しく生理も来るし 何故か、今日も自由詠のお部屋があったので、〆切2分前に考えて駆け込んだら3席だった。ありがたい。 精神的なショックが大きくて自殺未遂を繰り返したり、断食してたりもしたわりには、生理の周期に…

うたの日・お題「春眠」

やわらかな君の笑顔に春眠が見せた夢だと気付いてしまう 最近、よく、好きな人の夢を見る。 夢の中の彼は、私が好きになった優しい彼のままで、ずっと微笑んでいてくれてて、私に短歌を作ることを辞めるように要求してきたり、特定の精神疾患を揶揄し愚弄す…

今日の自由詠

幸せな人妻であるユーミンが失恋ソングで心を抉る 今日は、ユーミンの曲が好きなことで意気投合した真壁カナさんとふたりで初めて会って、一緒にカラオケをした後、ごはんを食べにゆくという楽しい夜だった。 カナさんとユーミンの曲を歌うたびに、 「ユーミ…

うたの日・お題「自由詠」

本当にクリームシチューを食べるときご飯にかける私でいいの 子供の頃から、クリームシチューをご飯にかけて食べるのが好きだ。 それは、マナー違反なのかもしれないし、シチューにはパンという人には邪道なのかもしれないけど、美味しいものは美味しい。 た…

今日の自由詠

何もかも気圧のせいにすればいい君を失くした胸の痛みも 今日は、あまりにも偏頭痛が酷くて、夕方に少し寝たし、お風呂にも入ったけど、相変わらずしんどい。 雨の時に体調が悪くなる体質は、祖母譲りだなと思う。ただ、私の祖母は、雷の時だけは体調が良く…

うたの日・お題「いつも」

すぐ甘えいつも泣いてた弟が慣れた手つきでおむつを換える 弟は、幼い頃、すごく泣き虫だった。 近所の子たちと遊んでいて、自分が鬼になると悔しがって泣いていたし、母の帰りが遅くなるときは、お腹が空いたと駄々を捏ねて私を困らせた。 そんな甘ったれで…

今日の自由詠

頭から丸ごと海老を食べ切れる貴女は強く生き抜くでしょう 今日の夕飯を海老チリ丼にして、ふと思い出したことがある。 1月にお友達とネパール料理を食べた時、彼女のあまりにも哀しい恋の話を聴いて、彼女も泣いていたし、私ももらい泣きしそうだったんだけ…

うたの日・お題「みんな」

くちずさむみんなのうたのうたたちはわたしをなかまはずれにしない 歌は、母のお腹の中にいた時からずっと私の側にあって、いつも歌ってきた。 お風呂に入れば必ず好きな歌を熱唱してたし、小学校の時には学校には友達はほとんどいなかったどころかいじめら…

今日の自由詠

私には雨が誰より似合うのでふられるたびに傘を買います Twitterで、恋愛同好会さんに投稿したうちの1首。 私は、雨女だということもあるけれど、昔から、異様に傘が好きで、可愛い傘に目がないので、その日着てる洋服に合わせて傘も選べるくらいには傘を持…

うたの日・お題「宮」

宮崎もイオンだったら求人はいくらでもあるけど帰らない 私の宮崎の実家は、徒歩数分のところにイオンがあって、母は 「イオンは私の庭よ」 なんて言ってるんだけど、シーガイアも3,261億円もの負債を抱えて経営破綻したし、民放のテレビ局も2局しかないし、…

うたの日・お題「復」

何度でも復唱させていただきます世界でいちばん愛しています ……という歌を詠んだけど、今まで、愛してるって口にしたのは数えるほどしかない。しかも、普通のテンションでは言えないから、ベッドの中でしか言ったことがない気がする。 大好きっていうのはよ…

今日の自由詠

復讐で手を汚したりしなくても猫背の人は早死にらしい 今日のうたの日の「復」のお部屋に出さなかった方の歌である。 アメリカで、猫背だと早死にするという研究結果があるらしくて、そういえば、96歳まで生きた私の祖母は背中も腰もピンと伸びた姿勢のいい…

今日の自由詠

どこまでも私らしさを貫こうカニかまぼこはカニになれない 私は、鈴掛真さんや宇野なずきさんの短歌が大好きだけれど、だからといって、彼らのような短歌が自分に詠めるとは思ってないし、仮に、どんなに好きな作風を真似したところで、本物を超えることはで…

うたの日・お題「敵」

初めてのシーシャを吸ってみたけれど君が素敵で忘れられない そういえば、NHK全国短歌大会を観に行った日、渋谷でネパール料理を食べた後、シーシャを吸いにゆこうと誘われてシーシャデビューをしてきた。 私は健康オタクとまではいかないけれど、健康には気…

うたの日・お題「1800カラットのダイヤと同じ美しさ」

「学校にゆくのが夢」と微笑んだアフリカの子の輝く瞳 難しいお題だったけど、この世にまだ存在しない1800カラットのダイヤだから、自分がいちばん美しいと思うものを詠みたかった。 たくさんの人に届いて嬉しい。子供たち以上の宝はないと思う。

今日の自由詠

ラテン語で「Te amo(テ アーモ)」と言いかけたけどすぐに「Te adoro(テ アドーロ)」と言い直す 私が親戚一同創価学会の家に生まれ育ったことは以前も書いたけど、中学生くらいの私は、とても素直に信心していたので、必ず会合なども参加していたんだけど、あ…

今日の自由詠

哀しみの数だけキスを交わそうよ朝の光に包まれるまで 最後にキスをしたのは28歳の時だったと思うから、もう干支が1周しちゃったのか。 私は、キスをするのが好きで、恋人に求められたら必ず応えていた。それが、ラブホテルでも、遊園地でも、駅のホームでも…

うたの日・お題「踊」

溢れ出す好きが止まらず便箋の文字も勝手に踊ってしまう 私はわりと手紙魔で、親しい人のへプレゼントには必ず手紙かカードを添えるし、好きな人への告白も、彼の誕生日のプレゼントの袋にラブレターを入れたのだった。 しかし、私の字はお世辞にも上手くも…

表現の自由と配慮

私が短歌を作る時に頭にあるのは、手塚治虫さんが書かれた漫画を描く上で、これだけは絶対に守らねばならぬ事がある。それは、基本的人権だ。どんなに痛烈な、どぎつい問題を漫画で訴えても良いのだが基本的人権だけは断じて茶化しては為らない。という文章…

うたの日・お題「消」

消すことのできない君の想い出を乾パンにして生き延びている 今の私は、好きな人の想い出をちびちび大切にゆっくりと時間をかけて食べてやっと生きているようなところがあって、それを何の食べ物に例えるかが今日の課題だった。 長い間、腐敗することなく、…