本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「警」

警報に耳をふさいで溺れてる君という名の果てしない海

 

 

 この恋は実らないし泣くだけだとわかっていても、周りに

「もっと他にいい人がいるから忘れて幸せになりなさい」

と言われても、私の好きな人は今まで生きてきて出逢ったどんな男性よりも素敵な人なので、忘れることもできないし、ふとした瞬間にいつも彼のことを考えてしまう。

 実は、近所の薬局の薬剤師さんの顔や体つきや声が彼にとてもよく似ていて、毎回ちょっとドキッとするのだが、それは、彼に似ているからドキッとするのであって、彼のことを好きになっていなかったら、その薬剤師さんを見ても何とも思わなかったのだろうなと思うとちょっと面白い。

 私の場合、人を好きになる時は必ずその人の性格や言葉から好きになるから、どんなに美形の人を見ても一目惚れはしないのだ。

 たぶん、私はもう他の人を好きになることはできない。好きな人の好きなところはいろいろあって数えきれないんだけど、いちばん好きなところは、50年後のこの人は今よりもっと素敵なんだろうなと老後の姿を想像させてくれるところだからだ。きっと、彼ならいい父親になるし、その頃はお孫さんもいらっしゃって、私のことなんてすっかり忘れてしまっているだろうけれど。