本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

幻滅をさせたいのなら簡単だ君は私に振り向けばいい

 

 とても屈折した感情だとは思うのだが、私は、好きな人が私を好きになってくれないところも含めて好きである。

 この人ほど素敵な人なら、自分なんかを好きになってくれないのは当然だし、恋愛対象の女性を選ぶ基準も高いはずだと思っているからだ。

 もしも、彼が私に振り向くような人だったら、その時点で、私の気持ちは冷めてしまうのではないかと思う。この程度の女でもいい人だったのか……と。

 

 私の恋人だった人は、私のこの屈折した感情にも負けずに私を愛してくれる人だった。彼が私のことを可愛いと褒めるので、

「眼科に行った方がいいですよ」

と言えば

「視力は両目2.0です」

と答えるような人だったし、私が

「貴方にはもっと相応しい素敵な女性がいるはずだから、その人と出逢えるまでは私が側にいるけど、いつでも身を引く」

と言えば、真剣に叱られた。

 

 自分のことを好きになってくれる人の胸にまっすぐに飛び込んでゆけるような恋愛は私にはこの先ずっとできないのだろうなと思う。

 結婚も子供も諦めることになるとわかっていても、いちばん好きな人に片想いしているのが幸せだと思うから。