本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「褪」

愛着のあったデニムも色褪せてブルーな恋も水色になる

 

 足が太く短いので、そんなに数は持ってないんだけど、青が好きなのでデニムも好きである。

 デニムというのは、洗濯をするたびに色が落ちてゆく。うっかり、白いシャツなんか一緒に洗ってしまうと大変なことになるけど、それでもデニムは好きだ。

 私の20代を捧げた初めての恋人は、私と服の好みが似ている人だった。事前に話し合ったわけでもないのに、デートの時の服の素材とか色がペアルックのようなコーディネートになってることがよくあった。彼がブルーのデニムのパンツを履いてる時は、私もブルーのデニムのスカートを履き、ふたりともムートンのジャケットを着てたり。

 3年近く片想いをしている人の服のセンスも私は大好きなのだけど、彼は、何故か、デニムを身につけない人だ。着ればきっと似合うだろうと思うんだけど、着ているところを一度も見たことがなかった。もし、彼の好きな人の勧めであれば、彼もデニムのパンツを履いたりするのかなあと思うと、想像しただけでちょっと妬いてしまう。

 デニムがどんどん色褪せてゆくように、この彼への想いも淡い想いへと変化して、いつか忘れてしまえる時がくるのだろうか。

 毎月逢えていた頃も大好きだったけど、逢えなくなってしまった今は狂おしいほどに愛おしくて、ますます、彼の素敵なところしか見えないのだ。