本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

忘れたくない想い出が消えてゆく大好きだった声から先に

 

 私は何フェチかと言われれば声フェチなんだけれど、もう、逢えなくなってしまった人のことを忘れてゆく時にはまず声から先に忘れてしまうのがとても淋しい。

 ただ、すごい偶然なんだけど、私のかかりつけの薬局の薬剤師さんが、思わず、息が止まりそうなくらい、私の好きな人と顔や背丈や骨格がよく似ていて、骨格が似ていると声まで似ていて、名札を見て彼の弟さんや親戚じゃないか確認してしまったくらいに雰囲気も似ていて、目と耳の保養になっている。世の中には3人自分とよく似た人がいるというけど、たぶん、私の好きな人とこの薬剤師さんが歩いていたらどっちがどっちか一瞬見分けがつかないかもしれないくらいそっくりだ。

 でも、こんなによく似た人を前にしてもぜんぜんときめかないから、やっぱり、彼は唯一無二の存在なのだなあと思う。