本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「二十歳になって一首」

振り袖は着なかったけど十九の夏に仕込んだ梅酒を開ける

 小学校の高学年から中学3年生の秋まで陰湿ないじめに遭っていた私は、出身中学校ごとに集まることになっている成人式には絶対に参加しないと決めていたし、母から
「お金はお母さんがなんとかするから振り袖だけでも着て写真を撮ったら?」
と言われても、
「絶対着ない!そんな無駄なことにお金を使わないで!」
と泣いて拒否したので、成人式の日には華やかなお祝いは何もしなかったのだけど、大学の寮に住んでいた1年生の夏に、私は、果実酒作りの本を買って、梅酒と林檎酒と珈琲酒を仕込んでおいたのだった。ひとりで、ささやかに二十歳を祝うために。
 果実酒は大成功で、どれも美味しくできたし、珈琲酒はアイスクリームにかけたりしても美味で、しばらく楽しめたし、実家にも送ったり、友達にもお裾分けしたりした。
 30代はうつ病になってしまったから、ほとんど禁酒しているので果実酒作りもしなくなったのだけど、もう、薬を飲まなくても生活できるようになった時には、また、果実酒を何種類か作ろうと思う。
 それにしても、今日は大人数だったから、5人もの方に評をいただけて嬉しかった。首席は私もハートを入れたお歌だったので納得してるんだけど、1点差で薔薇を逃してしまった悔しさはやっぱりある。私らしい歌をちゃんと詠めたので。
 まだ、今年に入って薔薇をいただけてないので、いい歌が詠めるように頑張りたい。