本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の歌

結婚も出産もまだできぬのは成人式を拒否した罰だ/澪那本気子

 小中学校でいじめに遭っていた私は、出身の中学ごとに集まらなくてはいけないという地元の成人式には絶対に出席しないと決めていたし、成人することがそんなにおめでたいことだとは思わなかったし、母が
「お金はお母さんが出すから、振り袖を着て写真だけでも撮ろう?」
と言うのを
「うちのどこにそんなお金があるの?そんな無駄なことにお金を使うのは馬鹿みたいだからやめて!」
と泣いて拒否して、成人の日は、東京に残ったままアパートで普通に過ごした。
 でも、私のことを世界一可愛いと思っている母の願いを冷たく却下したことは子供としてとても罰当たりだったんじゃないかというのはずっと申し訳なく思っていて、振り袖姿を見せられなかった分も花嫁姿を見せたいし孫の顔も見せたいとも思ってはいるけれど、これも今のところは実現不可能な気がする。
 年齢だけは、当時の倍以上になったというのに、心はずっと大人になれていない。