本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

しなやかで器用な君の指先を眠れぬ夜は思い浮かべる

 私の好きな人は、とにかく美しい人なんだけれど、顔も美しいし、佇まいも美しいし、手もとても美しい。
 私の手は赤ちゃんの手のようなプクプク感があるうえ、ピアノをやってたから指の関節も太くて、お世辞にも綺麗な手とはいえなくて、コンプレックスのひとつなんだけど、彼の手は手タレ顔負けの美しさだ。おまけに手先もとても器用なのである。 
 美しい器用な手を見ると、絶対にそんなことはあり得ないのに、あの手に触れられたいと思ってしまうから、私は、いつも彼と会うたびにドキドキしていたし、彼に触れられる女性を心から羨ましいと思っていた。
 どこかに彼とうりふたつで、遊び相手としてでもいいから、淋しい夜に私と一緒に過ごしてくれる奇特な人はいないものだろうかと思ったりもする。 
 近所の薬局の薬剤師さんが彼と兄弟ですか?ってくらいよく似ている人ではあるけど、月に1度の診察の帰りに薬を処方してもらうだけの関係だから、これ以上、関係が発展することもなさそうだしなあ。