本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「屋根」

屋根裏で猫とねずみが駆け回る古い家でも帰りたくなる

 私の実家は、私が生まれる前から建っている木造の古い平屋で、屋根裏では毎晩のように猫がねずみを追いかけて走り回る音がドタバタと響いていた。
 捕まえたねずみやすずめを猫が口にくわえて見せにくるのが怖かったけど、猫も獣だから可愛いだけじゃないよな、仕方ないよなと思ったものだ。
 でも、動物は獲物を仕留めるのには自分の身体しか使わない。それに比べて人間は道具や武器を使って動物の命を奪って食糧にするのだから、動物の中でいちばん怖いのは人間だろう。猫を怖がってはいけない。
 ボロボロの古い家だけれど、母が待っていてくれる限りは、私の帰る場所はあの家なのだろうな。