本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「さくらんぼ」

勝負する前から負けるアメリカンチェリーの爪をしてるあの娘に

 私は、体質的にマニキュアが苦手で、手の爪にマニキュアを塗ると爪が呼吸できない感じになって苦しいので、手には何もしていない。ピアノを習っていた頃の習慣が抜けなくて、爪も深爪ぎみに切らないと気持ち悪いので、美しさとはかけ離れた手をしている。
 だから、華奢で綺麗な手の人が爪を伸ばして1本1本の指に可愛いネイルアートをしたりしているのを見るといいなあとうっとり眺めてしまうし、仮に、私の好きな人が私には振り向いてくれないのに、そういう素敵な爪の人を選んだら激しく落ち込むだろうなと思う。
 そういえば、私の母には5人兄がいるんだけど、その5番目の兄がよく息子たちに
「女の子はまず手を見ろ。マニキュアを塗った爪の長い子じゃなくて、手の荒れた女の子を大切にしなさい。そういう子は働き者のいい嫁さんになってくれるぞ」
と言っていたのだけど、私は、爪の先までおしゃれをした綺麗な手でもなければ、働き者でもないので、誰にも選ばれることなく未だに独り身なのだろうなという気がしている。