四月の歌(マイブックより)後編
誰にでも優しい君に私だけ冷たくされてキュンとしている
少しだけ髪を乾かす間だけ大声で泣く 許してほしい
君からのメールが来なくなったから睡眠薬を一ミリ増やす
生きている意味なんてあるのだろうかムダ毛のように嫌われていて
一度だけ坊主頭にしたかった十年ぶりに履歴書を書く
簡単に運命なんて信じない自分の道はこの手で拓く
自らは誰も攻撃しないけど傷つけられたら倍返しする
最期まで忘れることはないでしょう過去をなかったことにされても
履歴書に書く欄のない十年を闘ってきた私、負けない。
一度でも魅力を知ると手放せぬ圧力鍋のようになりたい
百円のケーキを求め行列に並んだ今日を忘れはしない
誰にでも威張り散らしている父がお粥にだけはさん付けをする
「二番目に好きな人との結婚が幸せだよ」と笑う友達
本当に必要な人だけ選ぶパッチワークのような人生