本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「球根」

きゅうこんてたべたらどんなあじだろうママがやさしいひにきいてみる

 

 1点差で次席ではあったんだけど、自分が表現したかったことが伝わってないので、反省した。

 この歌は、ネグレクトされている子供の視点で詠んだ歌である。

 私自身が3歳から18歳まで父に虐待されていたということもあるのだけど、私があらゆる社会問題でいちばん心を痛めてるのが児童虐待で、特に、魂の殺人である性的虐待や、ネグレクトは絶対に許せないと思っていて、いつか、じっくり連作に取り組んでみたいテーマではあるのだけど。

 球根と玉ねぎは形が似てるなというとこから考えた歌なのだけど、親から満足に食事を与えてもらえない子供は、水栽培の球根を見ても、食べられるか?ということをまず考えるのではないかと思って。でも、子供というのは、どんなに親に酷いことをされていても、親に愛されたいという気持ちがあるし、親を愛していて、気まぐれに自分に優しくしてくれる機嫌のいい時の親の姿が本当の姿だと信じているものだ。それを下の句で表現したかった。

 でも、表現したいことも、正確に伝わらなければ意味がない。

 河野裕子さんの言われた「短歌は、ドーナツの穴を空けるように詠む」ということについて、ずっと試行錯誤しているのだけど、私の歌は、ドーナツの穴のない中身がぎっしり詰まったあんドーナツになるか、今日みたいにドーナツの穴が大きすぎて食べるところがほとんどなくなるかのどっちかになることが多く、なかなかちょうどいい大きさの穴が空けられない。もっと精進せねばと思う。