本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日の100人の短歌・第8グループ⑨タキザワさん

 タキザワさんとはほとんど絡みはないのでどんな方か存じ上げないのですが、改名前の筆名がタキザワマジコさんだったので、勝手に親近感を持っていた方です。
 うたの日で同じお部屋になることもあまりないので、ほぼ初見に近く、選歌するのが楽しかったです。


かみさまがひとのすがたをしていないならかみさまをしんじてもいい/タキザワ 2019年12月18日・お題「動物」

 私は、ひらがなが多めの短歌の主体には幼さを感じるので、主体は子供だろうと思って読むことが多いのですが、このお歌はすべてひらがなで表記されています。主体はまだ小学校に入学前の幼児なのではないだろうかと思いました。
 思わず、ドキッとさせられる内容なのですが、この主体は今、神様の存在を信じていないのだと思います。いえ、神様というより、人間不信なのではないでしょうか。その原因は短歌を読んだだけではわからないけれど、例えば、幼稚園で友達にいじめられているとか、家庭で親に虐待されているとか、身近な人から傷つけられるような環境にいることも想像できます。だから、神様が人の姿をしていることに抵抗があるのではないでしょうか。
 そんな主体も、犬や猫など、身の回りにいる動物にだけは心を開けるのかもしれない。だから、神様が人の姿をしていないなら信じてもいい、いえ、自分を助けてくれる、信じられる神様に存在してほしいという切ない願いがこめられているように思えてなりませんでした。