本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

窓回文といえば

 私が窓回文を作ってる時にずっと頭の中から離れなかったのは、罅ワレさんの

 

明かり窓数個ついてた、仄明るい宿といえば、魚の宿屋。宿屋の中、サバ、エイ、トドやイルカ、あのホタテ一行、素泊まりかあ。

 

あかりまどすうこついてたほのあかるいやどといえばさかなのやどややどやのなかさばえいとどやいるかあのほたていつこうすどまりかあ

 

という回文。2016年のウナパンで、やはり、お題が「窓」の時の作品だと思う。

 魚の宿屋っていう設定が絵本のようで可愛らしいし、海の生き物を6つも綺麗に入れて、宿屋に対して素泊まりという言葉を入れてるのもすごいし、これが回文なのが信じられないくらい自然な文章だし、特に、仄明るいという言葉がこの回文全体を温かく幻想的なイメージにしてて、大好きな回文である。

 こんなすごい回文を発表されてしまっては、同じお題でこれを超える回文を作るなんて無茶ぶりすぎる。

 回文の世界は狭いけど、こういう超絶技巧を持った猛者たちが何人もいて、ちょっとやそっと頑張ったくらいでは追いつけないのである。