今日の自由詠
終電が来るまでキスを繰り返す熱くなるのは七月のせい
若気の至りだと思うが、恋人がいた頃、よく私たちは駅のホームや改札口の片隅でキスをした。何度も何度もキスをした。
人目が気にならなかったと言えば嘘になってしまうけど、1分でも1秒でも長く彼を近くに感じていたいという気持ちの方が勝った。
ここまで書いて、今、頭の中でユーミンの「リフレインが叫んでる」が流れ出してぐるぐるしている。
どこにゆく時にも恋人繋ぎだったし、喧嘩らしい喧嘩もしたことがない5年間でずっと彼のことを愛していたし、彼も同じ気持ちだと思っていたのに、どうして終わってしまったのか今でも不思議に思う時がある。
私たちがお別れした時、おそらく彼は、刑事の激務のせいでうつ病になっている状態だったのだけど、私は彼と乗り越えたかった。でも、彼は、私が支えようとするのを拒んだ。彼は、自分が支える側になるのは得意な人なのに、逆のことはできない人だったのだ。私の幸せを考えて、彼は、別れを切り出してくれた。彼が泣くのを見たのはあれが最初で最後だった。
あの時は、もう二度と恋なんてできないだろうと思っていたけれど、立ち直れるものなのだなあ。人は、そんなに弱くないのかもしれない。