本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「コンビニ」

コンビニを初日で辞めたあの日から忘れずレジで伝えるお礼

 大学に入って、4年生のK先輩とふたりで話をしていて
「うち、すごく貧乏で、弟は小学校を卒業して以来毎朝3時に起きて新聞配達をしてるんですよ。私も、奨学金も借りてるけど、アルバイトをしないと生活できないから、今、探してるんです」
と言った翌日、K先輩が
「ちょうど、ここのコンビニでアルバイトを募集してるから」
と紹介してくださったのが、当時、大学の近くにあったam/pmだった。
 先輩の紹介だし、店長も優しそうだし、私は張り切ってバイトに行った。
 が、ビールのケースを抱えた途端、腰に激痛が走り、そのまま動けなくなったのだ。小学5年生の時からの持病である腰椎椎間板ヘルニアが、その頃は、無理をしなければ生活には支障はなかったのですっかり忘れていたのだが、ビールのケースの重さに、腰が悲鳴をあげたのだった。
 泣く泣く、店長に事情を話して謝り、私は、初日でam/pmを辞めた。 
 今はもうam/pmもなくなってしまったけれど、コンビニに行くたびに、私は、コンビニで働いてらっしゃる方々を尊いなあと思う。
 だって、コンビニって、びっくりするくらい仕事量が多いし細かいし、立ちっぱなしだし、重いものもけっこう持ち運びしなければいけないし、決して、誰にでもできる簡単な仕事ではない。それなのに、時給は安い。
 最近は、コンビニに外国人の店員さんも多いけれど、彼らは、コンビニの仕事も丁寧に正確にこなしながら母国語ではない日本語を話さなければいけないわけで、日本人の労働者以上に大変だと思う。
 そんなコンビニで私ができることといえば、買い物をした時には必ず「ありがとうございました」と言って商品やお釣りを受け取ることくらいなんだけれど。