本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

2019-01-01から1年間の記事一覧

うたの日の100人の短歌・第1グループ②芍薬さん

2首目は芍薬さんのお歌です。芍薬さんといえば、うたの日ではあっという間に100本の薔薇を獲得されて、Twitterで芍薬さんといちご摘みをした人たちが次々と薔薇を獲得したことから芍薬メソッドという言葉も生まれ、最近は、新聞歌壇でもご活躍ですが、どこに…

うたの日の100人の短歌・第1グループ①近江瞬さん

ネット歌会「うたの日」の皆様の短歌の中から1首ずつ最大100人分の感想をお伝えする企画です。宮城県石巻市で活動中の短歌部カプカプの部長でもあり、今年、短歌結社の塔の新人賞も受賞された近江瞬さんのお歌からスタートします。 あなたとはもう会わないと…

うたの日1000首記念・100人の短歌について 

先日、2016年12月26日よりほぼ毎日出詠しているネット歌会「うたの日」で、1000首目の歌を詠むことができました。ありがとうございます! これも、うたの日の管理人のののさんや、たくさんの皆様のお陰で続けられてきたことなので、お礼になるかはわからない…

転職

去年の11月から勤めている今の職場はコールセンターで、自宅の最寄り駅から1駅で駅から徒歩30秒でとても近く、職場の人たちも優しくわかりやすく仕事を教えてくれるし、シフトもほぼ希望通りに組んでもらえるし、いい環境ではあったんだけど、どうしても、業…

短歌研究新人賞応募作「東京プアストーリー」

3か月ぶりのブログ更新です。心身共に絶不調の時も多かったんですけど、なんとか生きています。 初めて応募した短歌研究新人賞の結果が出ました。参加賞の2首掲載でした。連作は難しいですね。これを推敲し直して別のところへ……とも思ったものの、やはり、賞…

うたの日・お題「デパート」

伊勢丹の徹底的なおもてなし売り場ではなくお買い場と呼ぶ 新宿伊勢丹の地下の食料品売り場で働いていた時、最初の研修で教えられたのが、伊勢丹では売り場のことをお買い場と呼ぶことだった。 百貨店という場所の主役はお客様だから、あくまでもお客様の立…

うたの日・お題「後」

八月の最後のバスは走り出し米粒大の祖母に手を振る 小中学生の頃、毎年、夏休みも冬休みも春休みも、登校日や部活のある日を除いては、母方の祖母の家に泊まって過ごした。 自宅では、顔を合わせれば父に精神的にも身体的にも虐待される毎日だったから、祖…

うたの日・お題「直」

やり直すのはあきらめる降りしきる雨に打たれる紫陽花になる 花の名前にあまり詳しくない私も、紫陽花は好きだ。雨の日は体調が悪いんだけど、この時期の雨は嫌いではないのは、紫陽花が美しいからというのもあるかもしれない。 紫陽花のように雨に負けない…

うたの日・お題「避」

避妊具を必ずつけてくれるけど貴方とならば危険日はない 令和初のどんまいだった。

うたの日・お題「泥」

レオタード姿に無理がありすぎて目指せなかった女泥棒 私は子供の頃から『キャッツアイ』が大好きだったので、彼女たちへの愛を込めて詠んだ。 キャッツアイの仕事着はセクシーなレオタードだけど、背は低く短足で太っている私がレオタードなんて着たら、コ…

うたの日・お題「さくらんぼ」

勝負する前から負けるアメリカンチェリーの爪をしてるあの娘に 私は、体質的にマニキュアが苦手で、手の爪にマニキュアを塗ると爪が呼吸できない感じになって苦しいので、手には何もしていない。ピアノを習っていた頃の習慣が抜けなくて、爪も深爪ぎみに切ら…

うたの日・お題「同」

真っ先に養護教諭へ見せにゆく以下同文の卒業証書 小学校5年生の終わりから腰椎椎間板ヘルニアの持病のある私は、生理中前から生理中にかけての腰痛も尋常ではなく、生理前になると嘔吐を繰り返したりもしたし、貧血でしょっちゅう倒れるし、とにかく毎月学…

うたの日・お題「菜の花」

口答えした翌日の弁当に母が咲かせた菜の花畑 私が料理を始めたのは小学校の4年生くらいの時だっただろうか。 平日は学校の給食があるのだけど、土曜日は半日で授業が終わって帰宅するから、母がお昼ごはんを用意してから仕事にゆくこともあれば、お金が置い…

うたの日・お題「傷」

感傷を沈める海のない街の回転寿司にハマった人魚 このお題を見た時に感傷で詠もうというのはすぐ決まって、上の句はすぐできた。 私は、八王子に住んでいて、八王子は山はあるけど、宮崎にいた時みたいに海まで5分というわけにはゆかないから、いつも、息苦…

うたの日・お題「為」

被災者の為の募金が偽善なら死ぬまでずっと偽善者でいい 困ってる人のために募金をしたり、ボランティアをしたりする人がいると、必ずといっていいほどその人を偽善者呼ばわりする人たちがいる。 でも、そんな人たちが、偽善者と呼ばれる人よりも、誰かや社…

うたの日・お題「込」

駒込のツツジが燃える坂道を白髪の君と歩きたかった 駒込は、20代の頃に勤務していた会社の最寄り駅だ。 私が大学を中退してすぐに勤めた新宿の派遣会社の取引先が、駒込にあったこの会社だった。新宿の派遣会社は、駒込の会社の依頼で、イオンやビックカメ…

うたの日・お題「母」

できるだけ欠かさず母と電話して脳裏に刻む健やかな声 どんなに大好きな人のことも、大切な人のことも、忘れる時は声から先に忘れていって思い出せなくなってしまう。 だから、私は、ほぼ毎日宮崎の母と電話で話す。 今は健康な母だけど、いつまで元気な声を…

うたの日・お題「恋」

恋すると綺麗になるといいますが君と逢うたび丸くなります 好きな人と一緒にいるだけで、食べ物がなんでも美味しいので、私の場合は、幸せな恋をすればするほど体重も増えてゆく。 これが、お付き合いしてる相手とだったら、食後にセックスすれば、多少はカ…

うたの日・お題「自由詠」

日の丸は優しい旗だ絵心のない私でも見ないで描けて この歌は、実は、うたの日で「旗」のお題が出た時に作ってストックしておいたものだ。 私の思想は、右寄りでも左寄りでもないのだが、日の丸にはちょっと特別な想いがある。日の丸を考案したと言われてい…

うたの日・お題「役」

刺身しか食べたがらないトラ猫に生まれ変わった売れない役者 この歌、最初は、刺身しか食べようとせぬシャム猫に生まれ変わった髭の重役だったんだけど、食べたがらないの方が、現代的な日本語としては自然だなと思ってまずそこを直し、刺身だから日本の猫の…

うたの日・お題「うん」

何度でもうんと奥まで来てほしい今も未来も全部あげたい 難しいお題だったけど、私にしては珍しく官能的な歌を。 恋人に抱かれてる時は、こういう気持ちだったなあ……

今日の自由詠

長い夢から目が覚めて君と似た薬剤師にも動揺しない 今日は病院だったから、薬局に寄ったんだけど、好きだった人と兄弟なのでは?と思うくらい彼と顔も声も骨格もそっくりな薬剤師さんを間近で見て声を聴いても、もう、ぜんぜんドキドキしなかった。 今まで…

昨日の自由詠

好きじゃない今も会社のパソコンは君の誕生日がパスワード 昨日は、連休が明けて初の出社だった。 私の会社のパソコンは、パスワードがいくつもあるんだけど、そのうちのひとつを3年間好きだった人の生年月日に設定していた。パスワードを決めた時は、まさか…

うたの日・お題「臨」

散りぎわの桜のように最期まで感謝を述べた祖父の臨終 松たか子ちゃんの「桜の雨、いつか」という曲を聴いたり歌ったりするたびに、ああ、この曲はじいちゃんのテーマソングだなあと思うんだけど、私の祖父は、私が5歳の4月に亡くなった。 祖父危篤の知らせ…

うたの日・お題「階段」

スカートを摘まんで上る階段で王子さまとはまだ出逢えない 私は身長が152cmしかないんだけど、足が太くて短いので丈の短いスカートや足の形が強調されるようなパンツはなるべく穿かないようにしてて、ワンピースやロングスカートを着用することが多い。 特に…

今日の自由詠

頼み込み君に折らせたやっこさんだけが今でも変わらずにいる もう、好きな人への想いは変わってしまったはずなのに、まだ、彼に折り紙で折ってもらったやっこさんを捨てることができずにいる。 たかが、折り紙1枚なんだけど、それでも、これは、私が彼にもら…

うたの日・お題「子」

幸せも気づかないまま包んでた母と並んで作った餃子 子供の頃、よく、母と餃子を作った。不器用な私はなかなか餃子の餡を上手く皮に包めなかったけど、母はにこにこしていた。 大好きな岡村孝子さんの「夏の日の午後」という楽曲の歌詞の中に 幸せなんて言葉…

今日の自由詠

もう君が私の過去となった今、東京に住む理由を探す 一昨年、うたの日で南国のマンゴー農家と見合いせず実らぬ恋を詠う東京という歌を詠んだ。 私が東京に住んでいるいちばんの理由は、片想いでも好きな人と逢うことができるからだったように思う。ずっと、…

うたの日・お題「休」

箸休めでもかまわない一度だけ私を味見してほしかった 箸休め的なさつまいものレモン煮とか、金時豆の煮たやつとか、なければなくても構わないものではあるんだけど、食べるとホッとする。 私も、恋愛対象として見てもらえなくても、好きな人にたまに抱きた…

今日の自由詠

誰よりも君を愛した痕跡を遺品整理の要領で消す 好きな人にTwitterでDMをブロックされてメッセージのやり取りができなくなった後、私は、初めて、他にもアカウントを作った。それは、たぶん、いずれ、彼はDMだけではなく私のアカウント自体もブロックするだ…