本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「手」

手遊びをする友達がいないからアルプス一万尺は見るだけ



 不器用でトロいというのもあるけど、私がアルプス一万尺ができないいちばんの理由はいじめられっ子で友達がいなかったからだと思う。
 唯一、友達だと思える男の子はいたんだけど、私たちが小中学生の頃って、男女はフォークダンスの時くらいしか手を繋ぐことはなかったし、ドッジボールでも警察と泥棒という鬼ごっこでも男子対女子に分かれるくらい仲が悪くて、男女が仲良くしようものなら付き合ってると思われる時代だったので、アルプス一万尺も女の子同士の遊びだった。
 学年中の女子から無視されて、毎日上履きの中に画鋲を入れられたり、机や鞄に落書きされたり、欠席の後登校すると机の引き出しに給食の残飯が入れられていたりという程度だけど、いじめられている私とアルプス一万尺をしようなんて言ってくれる子がいるはずもなく、未だにできないままである。